株式会社江島農園

 
 

江島農園 江島亜矢さんのあゆみ

結婚を機に就農。農家の一員に。

幼稚園教諭から、江戸時代から続く農家へ。子育てをしながら、少しずつ農業に関わるように。

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規格外トマトで加工品開発。

味は良いのに出荷できないトマトを何とかしたい。委託加工でトマトジュース・ピューレが完成。

talk2

江島農園を法人化。

talk3

ピザソースの商品化に挑戦。

支援を受けながら、自社加工で新商品開発へ。

トマト栽培に本格参加。

末っ子の手が離れた頃から本格的に農作業へ。「できなかったことが少しずつできるようになって、それが楽しくて。」

麦秋カフェ開催。
マルシェにも参加。

農業の魅力を伝えるイベントを仲間たちと開始。お客さんとの距離が近くなる。

talk4

江島農園のこれからこの畑で、会いましょう。

この畑で、会いましょう。

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規格外にも、チャンスを。

江島農園 規格外のトマト

江島農園では、収穫が最盛期を迎えると一度に大量のトマトが採れます。しかしトマトは規格が厳しく、年によっては収穫の4割ほどが規格外になることも。

「味はおいしいのに、形や大きさが規格に合わないだけで出荷できないトマトが、コンテナいっぱいに積まれていました。市場に出すという選択肢もありましたが、卸値が安いので、とても労力に見合わなくて。」

そこで考えたのが、規格外のトマトを加工しての商品化でした。

「スポーツで言えば、レギュラーで試合に出られるのが規格内のトマトだけ、というのがくやしくて。みんな揃って一生懸命練習して成長してきたんだから、規格外のトマトにも試合のチャンスをあげたかったんです。」

商品化するにあたって、トマトの美味しさをそのまま生かした「ジュース」と「ピューレ」を作ることに。ただ、自分たちで加工するには設備投資も大きく、免許や技術など未知のことばかり。そこで、他県のトマト農家が運営する加工施設に規格外のトマトを送り、加工を委託する形でスタートしました。

2016年、無添加トマトジュース「つぶつぶ」、無添加トマトピューレ「とろりとまと」が完成。常温でも保存が可能で消費期限を長く取れたことから、一年を通して江島農園のトマトを届けられるようになりました。

無添加トマトジュース ・トマトピューレ

販売を直販やサイトから少しずつ始め、マルシェにも積極的に参加するように。お客さんとの距離感も変わっていきました。

「トマトが美味しいからジュースを買ってみよう。ジュースが美味しかったから、次はピューレを。そうやって少しずつ広がっていった感じです。前にマルシェで寄ってくれたお客さんが、次はお友達を連れてきてくれたりして。」

販路が広がるとともに、江島農園のトマトのファンも少しずつ増えていきました。仲間たちと開催している「麦秋カフェ」も、お客さんと直接つながれる大切な場のひとつです。 麦の収穫前、佐賀平野に黄金の麦穂が一面に広がる季節に、マルシェやミニコンサート、佐賀の農作物を使った料理を楽しむイベントで、地域の方や子どもたちに農業の現場に来てもらい、五感で農業の魅力を感じてもらう場になっています。

talk2

ひとりじゃないから、踏み出せた。

ピザソースを使った石窯焼きの手作りピザ

2023年春、亜矢さんは新たに「ピザソース」を商品化するために動き出しました。きっかけは「麦秋カフェ」で提供していた石窯焼きの手作りピザ。トマトをふんだんに使ったオリジナルのピザソースが好評で、「家でも食べたい」という声をもらったのです。

「新商品はずっと模索していたんですが、自分が本当に作りたいと思えるものじゃないと気持ちが動かなかった。そんな商品 がやっと現れたんです。」

今後を見据えて、今回は委託ではなく、亜矢さん自身が加工を担当することに。しかし、農作業に子育て、家事をこなしながら、加工場の整備から商品開発まであちこちを駆け回る日々は、想像以上に大変なものでした。

そんな亜矢さんを支えたのが、さが農村ビジネスサポートセンターの伴走支援と、農業の仲間たちでした。

「サポートセンターからは、事業計画の策定や加工場の増設、補助金などの相談に乗ってもらいました。加工機材を扱うメーカーのテストキッチンや展示会にも同行してもらって、一人では知ることのできなかった選択肢や情報に繋げてもらえたのが大きかったです。初めてのことばかりで不安だらけでしたが、専門家が隣にいてくれることで、一つひとつ確認しながら前に進むことができました。」

気心知れた農業の仲間たちも、亜矢さんの背中を押してくれました。

「先に加工を始めていた友達にピザソースのことを相談したら、”自分だけでやっていこうとすると大変だから、なんでも周りの人たちに聞きながら進めた方がいいよ。みんなそうやって情報交換をしながら経験を積んで、支え合ってきたんだよ。”と言ってもらえて、精神的にすごく助けられました。」

マルシェやイベントに出店

そうして加工場が完成。その後はレシピ開発にも心を砕きました。江島農園のトマトらしさを保ちながら、加工品の法定基準をクリアするべく、収穫時期が違うトマトを配合するなど何度も試作を繰り返し、ついに「無添加とまと農家のピザソース」が納得のいく形で完成しました。

「新商品が完成して、まっさきに常連のお客様に自筆の手紙をお送りしました。いつも応援してくれている方たちに、いちばん初めに食べていただきたくて。」

長い道のりを乗り越えられたのは、「お客さんの喜ぶ顔を見たい」という一心でした。サポートセンターなどからの支援と、仲間やお客さんとのつながり。その両方があったから、新しい一歩を踏み出すことができたようです。

2024年には、再びサポートセンターの助力で、「ピザソース」を商品カタログに加えたリーフレットが完成。飛び出す絵本を自分の手で作り上げる参加型のブックで、それを組み立てるワークショップを開くなど、新しいお客さんとの関わりを生み出しています。

talk3

江島農園のこれからこの畑で、会いましょう。

トマトジュース

亜矢さんが農業に関わる上で大切にしていることは「お客さんとの距離の近さ」。 マルシェやイベントでお客さんと会話をし、目の前で「おいしい」と言ってもらえることが、何よりの喜びだと言います。

「普段は畑で農作物と向き合う時間がほとんどなので、お客さんの反応がわからなくて。食べてくれた人から自分のところの農作物や商品を褒めてもらえると、自分も一緒に褒めてもらったみたいで嬉しいんです。」

江島農園には、農作物を直接求めに来るお客さんの足が絶えません。近くに立ち寄ったついでではなく、「ここで買うために」訪れるお客さんばかり。毎年同じ時期に欠かさず注文してくれたり、大事な人への贈り物として利用してくれる人もおり、亜矢さんはそのひとつひとつのやり取りを大切にしています。

「次は農園内に、加工場を併設した直売所を作りたいんです。旬のトマトで作る、絞りたてのフレッシュジュースをみんなに飲んでもらいたくて。本当に美味しいんですよ。」農作物を育て、加工品をつくり、それらを届ける。そうした日々の積み重ねが、江島農園の未来をつくっています。

支援機関・体制

佐賀県産業イノベーションセンター / 各専門支援
(さが農村ビジネスサポートセンター・知的財産・よろず支援拠点)

佐賀農業大学校 / 加工品開発等